老齢基礎年金の年額はいくらだか知っていますか

それは、平成11年度で年額804,200円です。1ヵ月あたりにすると6万7千円ちょっとです。

国民年金は、憲法第25条第2項の規定に基づいて作られているのですから、この老齢基礎年金によって「健康で文化的な最低限度の生活」が保障されなければおかしいですよね。

でも、この年金額で一体、どのような老後が送れるというのでしょうか。

ところで、生活保護法(これも憲法25条に基づいて作られた法律)による生活扶助の額は、地域やその他の要因によって違いますが、単身者の場合、おおよそ月額10万円です。

生活保護の種類は生活扶助だけではありません。家賃が払えない程困窮している人には住宅扶助もあるし、教育扶助、生業扶助などあわせて7種類の扶助が行われています。国は、国民の最低生活保障のために、個々の事案でみれば、老齢基礎年金に数倍する保護費を支出しているのです。

このことからも、40年間の保険料納付の末、65歳で満額の老齢基礎年金を受給したとしても、これだけでは生活保護費にもはるかに及ばない、つまり、この年金額では、最低限度の生活を送ることができないことは、明々白々ではありませんか。

現行の国民年金制度は、年金額一つをとってみても、国民の要望や憲法の要請に応えるものにはなっていません。

これをどうしたらいいのか、保険料の問題を含めて考えてみましょう。