介護保険に強くなろう その二


今回はケアマネージャー(介護支援専門員)についてお話します。

ケアマネージャーは介護を必要とする人にとって強い味方です。ケアマネージャーは介護される人やその家族と相談して、どんなサービスをいつ受けるのが良いのかを具体的に示します。またお金がどれくらいかかるのかも計算します。ケアマネージャーは介護される人の状態を評価し、その人の問題点を明らかにし、その人に残された機能をいかに維持していくか、願わくば無くした機能をとりもどしより豊な日常生活を送っていただくにはどうしたら良いかをいつも考えて介護計画を作っています。

 ケアマネージャーになるには医療、福祉の現場で5年以上の実務経験が必要です。具体的には医師、薬剤師、看護婦、保健婦、社会福祉士、理学療法士、鍼灸師、訪問介護員、その他の方です。奈良県で主催する試験を受けて合格するだけではだめで、実はその後、介護支援専門員に必要なトレーニングをかなりの時間受けることとなります。

ケアマネージャーの仕事は介護計画をたてることの他に、介護サービス業者との連絡と調整があります。お年よりの場合、その日の体調その他の要因で、月初めに作った介護計画がそのとおり実行されることはむしろまれです。計画の途中変更は常にありそのたびに介護サービス業者と連絡をとりあうのです。そして月末には介護サービスが適正になされたかのチェックを行い、それを国民健康保険連合会に報告します。これを給付管理業務と言います。また訪問調査といって、市町村から委託を受けて、介護を申請された方のところへ出向きその状態を記載する仕事も行います。

 このようにケアマネージャーは大変な仕事です。統計で見ますと看護婦や介護士(ケースワーカー)のケアマネージャーが多いようです。ケアマネージャーの資格を持っていても法人である事業所に属していないと実際の業務はできないことになっています。ケアマネージャーのいる事業所を居宅介護支援事業所といいますが、病院、市町村の社会福祉協議会、特別養護老人ホーム、老健施設、訪問介護ステーションなどがこれにあたります。

奈良新聞2001517日掲載