介護保険に強くなろう(3)

 

今回は介護サービスの利用についてお話しましょう。介護サービスというと何かたいそうなことのように考えがちですが、日常の生活で不便なところを助けてもらうくらいの感覚で利用されたら良いでしょう。実際に多く利用されているサービスをあげてみましょう。

@   膝が曲がりにくいので寝起きが困難なため、ベッド、車椅子等を借りる(福祉用具の貸与)

A   足が悪いため外出するのが不安であるのでかわりにヘルパーさんに買い物や家の掃除などをお願いする(家事援助型訪問介護)

B   結婚式で家族全員が出かけるために2泊3日でおじいちゃんをあずかってもらう(ショートステイ)

C   家の床に段差があるのでつまずかないようにスロープをつけたりお風呂に手すりをつけて立ち上がりやすくする(住宅改修)

などがあります。

ああ、こういうことなら利用したいなと思われることがあるでしょう。介護サービスにかかった費用の9割は介護保険でまかなわれますので実際に利用者が支払うのは1割分となります。この制度を大いに利用してください。

介護保険を受けるためには要介護認定の申請をする必要があります。本人や家族が市町村の老人福祉の窓口に直接いけば受け付けてくれますが、それ以外にケアマネージャーのいるお近くの病院やかかりつけの診療所、社会福祉協議会、老人福祉施設でも申請の代行をしていますので相談すると良いでしょう。市町村では介護認定審査会をひらいて要介護度を審査し、最終的に市町村長が要介護度を決定します。もし自立と判断されたら介護保険によるサービスを受ける事ができません。

介護サービスを受ける際、サービスを自分で選んでサービス事業所に直接頼むことも法律的には可能ですが、業者の選定やサービスの限度額の問題など手続きがかなり煩雑ですので、介護支援のプロであるケアマネージャーにまかせるのが一般的です。ケアマネージャーのいる事業所を居宅介護支援事業所とよびますが、信頼の置ける事業所に依頼して、自分の希望に沿ったケアプランをプロの目を通して作ってもらうようにしましょう。