タンパク尿といわれたら

学校健診や職場健診では検尿を行います。その際尿にタンパクがでているといわれることがあります。このようにこれまで腎臓の病気などしたことがなく無自覚、無症状であったのが健診で偶然発見されることがあります。これをチャンスタンパク尿といいます。

タンパク尿には良性のものと病気によるものがあります。

良性のタンパク尿としては発熱時にでる熱性タンパク尿や激しい運動のあとにでる機能性タンパク尿があります。また長時間立っていることによって生じる起立性タンパク尿もあります。起立性タンパク尿は臥位になると消失します。一般的に良性のタンパク尿は一時的であることが多く再度の検査で陰性を示します。それに対しタンパク尿が持続しているような場合は病的と判断します。

 病的なタンパク尿は腎臓に原因がある場合とそうでない場合があります。腎臓が原因であるタンパク尿には糸球体腎炎やネフローゼ症候群、糖尿病による腎障害、SLEなど膠原病による腎疾患などがあります。また水銀やカドニウムなど重金属の中毒により腎臓が侵された場合にもタンパク尿が出現します。

腎臓が原因でないタンパク尿としては、多発性骨髄腫という病気があります。これは血液中に多量の異常タンパク質が存在するために尿にタンパク質が漏れ出してくる病気です。その他に尿路の結石や、尿路腫瘍、膀胱炎、前立腺炎などでもタンパク尿はみられます。

健診で偶然見つかったチャンスタンパク尿であっても、それがずっと続いているようであれば、特に体の調子が悪くなくてもそのままにせず、病院を受診するようにしましょう。