世に生まれ夜空を見れば桜折れ我に降り積むまた桜   

さかずきに同心円の輪をえがく5分の1の重さを残して 

薄紅の花を慕う一掬のしあわせはよしのさくらにも似て 

靴に優しいさくらばな踏みしめられてもまた積もりゆく 

葉桜を透かして陽光集めつつ藍より淡き夏空を思う   

通い路をわかちて歩く月の道僕が見上げる君はうつむく 

夜更けには君の姿を待ちわびて窓を開け見る路上のポスト

沖縄が梅雨に入ったそのときに北海道では桜花ふくらむ