升田式石田流封じ

　初手から▲７六歩△３四歩▲２六歩△３五歩▲６八玉で問題の局面となる。

　ここで△３二飛とすると▲２二角成△同銀▲６五角（D図）で△３四角と打てずに石田側不利とされた。

　したがって△３二飛では△４四歩となり升田式石田流は出来なくなる訳。

　しかしD図から石田側に次のような手段がある。

　△５二玉▲８三角成△３六歩▲同歩△５五角▲７七桂△３六飛▲３七歩△７六飛▲７八銀△７四歩（E図）というもの。狙いは７〜８筋となる。これで石田側も十分指せるが、この将棋は振り飛車の将棋というより居飛車の将棋である。ともあれD図からでも石田側は十分に戦うことが出来るわけだ。

　結論を書くと升田式石田流封じに対しても石田側は十分に戦える。ただし居飛車の感覚の将棋となるので、生っ粋の振り飛車党は事前に十分な研究が必要となる。あくまで振り飛車にこだわるのなら▲６八玉に対し△４四歩として３筋の位を生かす振り飛車を選択するべきだ。