史料保存館
概要
記述:2005.03.29
奈良市では奈良市史の編集事業を行なうあいだに古文書や絵図など多くの歴史資料を集めました。奈良市立史料保存館は、これらの史料を将来の歴史研究や市民の利用に供するため、その整理・保管・展示を行なう施設として平成4年に開館しました。館は江戸時代に成立した奈良町と呼ばれる地域の一角にあります。奈良町界隈には、道路に面して主屋が軒をつらねる昔ながらの町家や、歴史的価値が高い建造物が残っており、 今なお古くから続く町らしい、おちついた雰囲気をとどめています。
●保存史料
 主として近世、近代史料(寄託も含む)、複写史料 明治の新門 など
●蔵 書
 歴史関係田毒,各市町村史 など
●閲 覧
 研究・調査など利用目的が明確なものに限り、史料の閲覧を許可しています。
 閲覧希望者は 事前に教育委員会文化財課にご相談ください。
●開館時間
 午前9時30分〜年後5時 (入題無料)
●休館日
 ◎月曜日(休日のときは翌日体館)
 ◎休日の翌日(ぞあ日が日曜日、土曜日及び休日の場合は開館)
 ◎年末年始(12月27日〜1月3日)
●所在地
 〒630−8337 奈良市脇戸町1番地1
 TEL.0742−27−0169
●交通案内
 JR奈良駅から、徒歩20分。
 近鉄奈良駅から、徒歩20分。
 または上記各駅から、天理線バス「福智院可」下車徒歩10分。
 市内循環バス「北京終町」下革徒歩10分。
奈良町という呼称は、江戸時代から続く町々を総称した呼びかたで、その範囲はおもに昭和 初年頃までの奈良市街地の大部分を占めます。 奈良の町は中世に、興福寺や東大寺などの寺社の門前郷として発達しました。戦国時代末期 にはすでに「奈良惣中」 「奈良地下中」などと称され、領主支配を超えた各郷の連合組織が成 立していました。 天正13年(1585)に豊巨秀吉の弟、秀長が大和を領地とします。秀長は郡山城を居城と して奈良には代官を置きました。このころから史料に「奈良町中」 「奈良町」という名称が見 られるようになります。 徳川家康が政権を握ると、慶長7年(1602)から3年をかけて屋地子張改めを行ない、 同9年には町切りを実施して各町の区域を確定します。この時に田地を含む町や町続きの村も 「地方町」として奈良町に編入されます。さらに同18年(1613)には奈良奉行所を設置し て、奈良の支配体制を整えました(初代奉行は中坊秀政)。 寛永11年(1634)三代将軍家光が上洛します。この時に奈良町(奈良町100町、地方町 25町)は地子免除の特典を与えられます。また奈良町周辺の城戸・杉ケ町・油坂・芝辻・京 終・法連・野田・川上の各村が「奈良廻り八ケ村」と総称されるようになります。 その後、江戸時代の奈良町は、町切りで確定した町を基本にして発達し、享保13年 (1728)の調ぺでは奈良町141町、さらに寺社支配の町が64町あり、これを合わせた総奈 良町205町となっています。人口は元禄年間の頃がもっとも多く、戸数6,000余り・.人口 35,000余りで、それ以後は次第に減少していきます。 奈良には奈良町をはじめ、酒・墨・武具・団扇・法論味噌・奈良漬などの名産がありました。 元禄・宝永年間には東大寺の大仏・大仏殿の再興がなされ、それを契機に人々の奈良見物が盛 んになります。その頃には奈良晒の生産が衰えて、奏良は産業の町から観光の町へと変わって いきます。


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