発言者:小谷野達穂 さん (男性) 例えば、『トイレの研究』(日本トイレ協会編・地域交流出版1987年)によると、男性が1回の 小便に費やす時間は31.7秒、そして一日平均5.5回だそうです。とすると単純計算で9.6時間に1 回トイレに行く事になり、9時から20時まで外で働いている方は1日1回は必ず外で用を足してい る事になります。で、その1回につき31.7秒。普通TVCMは1コマ15秒。という事は1日に働く成人 男性に対して2コマもCMを見せる事が出来るという計算になります。2コマのCM枠を取るのに企 業がどれだけのスポンサー料を払わなければならないか。何千万の世界の話になります。その 点、トイレでの広告は番組を流す必要がなく、言ってしまえば広告の垂れ流しで済むのですか ら、必要なのは広告を出すための物理的費用とその他デベロッパー等へ支払ういわゆるショバ代 だけ、という事になります。但し、公衆便所はこうはいかないと思われます。つまり、公共の ものであるから、企業広告はありえないという事です。しかし、「AC」等に代表される公共広 告が存在します。公衆便所を通じて市民への啓蒙・啓発…なんて素晴らしい! また、トイレに広告を出すという事は、TV番組の内容の様に、ある程度のターゲットの絞込み という作業を必然的に達成します。まず、男と女。男性トイレに生理用品の広告をする必要は 全く無いのですから、TVよりもより直接的な広告が可能です。そして設置場所や時間帯による 利用者像も見えてくるはずです。 ではトイレでの広告に最も効果的な方法論とは何でしょうか。広告とは働きかけるもので、人 は基本的に受身であります。人が受ける情報とはつまり、5感に訴えられるもの、という事に なります。 以下に5感へのアプローチ方法を列挙します。 目…ビジュアル→絵、動画、文字など 鼻…におい→試供品など 口…味→試供品など 耳…おと→声・音楽など 感覚…肌触り・実感→試供品・実際の商品など トイレとは用を足す所であり、頭はその事に集中しております。 これでいきますと、実際トイレで有効と思われるのはやはり目と耳という事になります。 例えば男子小便器でいけば、両手がふさがった状態で見つめるのは自分の股間です。 しかし用を足している時間(上記時間で言えば31.7秒のうちの15秒くらい)は近い所ならば他 に目をくれる事も可能です。 その状態で便器の中に組み込まれた液晶板に映像とかすかに音楽。 必ず注目します。 無論、液晶板に流れるものはネットオンラインのものです。 その液晶+ネットオンラインのメリットは、 1)手を汚さずして内容を変えられるそしてその内容は管理人によって随時変更可能 2)液晶は幅を取らない 3)液晶は消費電力が少ない 4)画面が大きい必要は無い などです。 最初から液晶を組み込み、防汚コーティングで耐性の透明な板を液晶の上に貼り付け 防水処理した便器の開発が前提となりますが、難しい事ではありません。 これで掃除のおばちゃんもデッキブラシでゴシゴシ丸洗いOK。 ハード面はこれで良いでしょう! ソフト面は、店舗紹介から製品紹介まで。 しかし食品関係はそれこそスポンサーがつかないのでは?? ソフト面については、東京の山手線の液晶画面のついた車両の広告効果の具合なんかも 参照に出来ると思われます。 どちらにせよ今まで目を付けられなかった所での広告ですから、難しい面やリスクはありますが 一回定着すればライフラインに欠かせない空間であるトイレは広告という分野にも欠かせない 場所になっていくでしょう! ご意見、体験記などお待ちしております。 |