入角と出角石積
石垣はクランク状に折れ曲がり、入角(いりずみ)と出角(ですみ)をもつ。
このように石垣を意識的に屈折させることは後に盛んになるが、本例はその初源的なものと思われる。現在は一段が残存しているに過ぎないが、出角の石が山側へ傾いて置かれていて、本来はこの上に勾配をもったかなり高い石垣があったことを想像させる。最下段の比較的大きな石が発掘調査で出土した石垣遺構で、他の小さな石は土砂の崩壊を防ぐために今回積んだものである。