当時を偲ばせる石垣
写真は加納城本丸北面の石垣です。岐阜市近傍の山で産するチャートとしう石を材料に積上げられています。石は角以外の部分には加工の跡が認められない「自然石」が用いられ、石と石の間には川原石が詰められています。
石垣の角の部分は「算木積み」(さんぎづみ)という横長の石を交互に組み合わせた積み方になっています。
この石垣は「野面積み」(のづらづみ)という近世初頭までに多く用いられた積み方によるもので、近世加納城が築かれた17世紀の初め頃の姿を留めています。
これほど良好に近世の初頭の石垣が残存する事例は美濃国では他に見られず極めて貴重な遺構です。
加納城の石垣は本丸外周や二の丸北面(現加納小学校南側)などに現存しています。