[お水送り1・若狭小浜]

東大寺の「お水取り」に使う水を若狭から送るという神事「お水送り」は、若狭・小浜の遠敷(おにゅう)川「鵜(う)の瀬」で行われます。752年、東大寺の二月堂が建立され、全国の神々が招かれた「修二会」(しゅにえ)に若狭の遠敷明神だけが魚釣りに夢中になって遅刻、おわびに修二会に使われる清水を送る約束をしたと伝えられています。かがり火が焚かれ、ほら貝の音が響き渡るなか、白装束の住職が送水文とともに竹筒に入った「お香水」(おこうずい)を川面に注ぎます。この水は地下を通って、10日で東大寺二月堂の「若狭井」に届くとされ、13日未明の「お水取り」でくみ上げられます。
(福井県小浜市)(2004.3.3)