■座席指定の意味無し? 
            香港〜澳門間のフェリー(といってもジェット・フォイルなので速い)はほぼ15分おきに出ているので、全席指定ではあるが事前予約の必要はまずない。 
            ところがその「全席指定」のわりには解せないことがあるのが香港の香港たる所以である。ジェット・フォイルに乗るまでの手続きはガイドブック風に書けばこうなる。 
             
             切符購入→出国手続き→座席指定→乗船 
             
            入出国手続きもある国際航路である。 
            この「切符購入」のところではふつうに「9:00発、大人1枚」とか言って買うのである。つまり一隻あたりの枚数は決まっている。まだ間に合うからといってもすでに「売りきれ」となっている便もある。 
            が、「座席指定」の部分ではチケットに書いてある便は完全に無視されているのである! 下の写真が実際に買った「香港9:15発マカオ行き」のチケットである。 
             
            
            上記の手続きに従い「出国手続き」を終えたところで見てみると一本前の9:00発らしいジェット・フォイルがまだいた。 
            で、念のために座席指定のおっさんに「コレ、9:00のフェリー?」と聞くと、「乗るか? ホイ、20K」と言って頼みもしないのに「20K」の席のシールを貼ってくれた。「ん?このチケット、9:15の便のだけどいいの?」「OK、OK!」 
            なにがOKなんだ? ホントにOKかぁ? 席の数は合うのかぁ? 
            だがおっさんがOKというのだからさっさと乗ってしまって出航するに限る。 
             
            というわけでチケット上にはない一本前の20Kの席でしばらくひやひやして待っていたが、私の心配をよそにジェット・フォイルは数分遅れではあるがとくに変ったふうもなく澳門に向かったのである。 
            あの「売り切れ」の札は一体なんだったのか? 
             
            ■鳩を食う 
            澳門では旧宗主国のポルトガル料理というものがあり、「鳩のロースト」なるものが食べられるとガイドブックに書いてあった。おまけに、ももとかではなく「丸焼き」なのである。アヒルの水かきや鶏、鴨、七面鳥あたりまでは食べたことがあるが、その辺を飛びまわっている鳩は流石に食ったことはなかった。澳門といってもこれといって見たいところ・見るべきところがあるわけでもなく、ヒマつぶしとその「鳩の丸焼き」を食べるのが最大の目的であった。 
            
              
                
                    
                  鳩の丸焼き | 
                 
              
             
             
            この「ハトのロースト」はガイドブックにはあたかも澳門の名物料理のように書いてあるが、実際はどこのレストランでもあるというメニューではなかった。店の前に出ているメニューやガラスに貼ってあるメニューを見て何軒か探したが、新馬路を一本入った裏道のレストランで発見した。 
            確かに「Pigeon」、つまり鳩と書いてある。で、それを頼んで出てきたのが左の写真である。見るからに鳩だ。頭もそのまんまついている丸焼きだ。でもまさかさっきまでその辺を飛びまわっていたヤツ、なぁんてなことはないだろうな。 
            とりあえず、合掌。 
             
            食べてみると鶏とほとんど変らない、というか言われなければ全く分からない。あえて違いを挙げるなら、食べるところが少ない! その点では鶏や鴨とはえらい違いである。「ハトのモモ」などはとても料理にはならないであろう。 
             
            かくして「鳩の丸焼き」体験はおしまい。自分の意思で食べることはおそらく二度とないでしょう。                                                                                | 
           
        
       
      
 
  
       
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