■気分は『重慶森林』か『深夜特急』か(??) 
             
            飛行機が香港のチェックラップコク空港に着くのは夜の10時過ぎの予定だった。  
            どうせ時間通り着くはずはないと思い、その新空港のロビーででも一晩すごしてから翌朝町に出るつもりだったが、UA827便ははガラにもなく定刻...どころか10分ほど早く到着したのである。こんなに早く寝てもしょうがないので、バスで町へと向かう。 
            最初の宿はかの有名な「重慶大厦」の中のどこぞのGHにするつもりでいた。重慶大厦(チョンキン・マンション)といえばバックパッカーなら一度は泊まってみたい、いや泊まらなければならない”ブランド”(?)である。ところがその重慶大厦はガイドブック「●人旅行・香港」にはムチャクチャ書かれていた。 
             
            いはく、 
            
              
                
                  
                  
                    
                      
                        | 「薄暗い中にイスラムの雑貨店や屋台同然のレストラン、安宿などがごちゃごちゃと並び、香辛料の匂いがあたりを漂う。ここの住人は各国からの移民や欧米人ヒッピーたち(死語!)。何が行われているかわからない怪しげな雰囲気は、香港マフィア映画のよう。九龍城もなくなりどんどんこぎれいになっていく街の中、昔のままの姿をととどめる重慶大厦は良くも悪くも香港最後の砦。」 | 
                       
                    
                   
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            と、それはもうえらい書かれようである。今は無き九龍城といっしょにされては迷惑この上ない。 
             
            空港からA21のバスに乗り重慶大厦のあたりで適当に降りる。HK$33也。 
            時刻はすでに深夜0時前だったが、町は明るく人もゾロゾロ。話によるとバスが停まると重慶大厦の宿の客引きが乗りこんできて、壮絶な客引き合戦が行われるとのことだったがそういうこともなく、2〜3人の客引きを軽くあしらって重慶大厦の中へ入りA座のエレベーターに乗った。 
            左側が偶数階用、右が奇数階用のエレベーター。中は確かにせまい。6〜7人がせいぜいか。だが、蛍光灯はついていて明るいし、「怪しさ」はどこにもない。意外と健康的である。「●人旅行・香港」め!! 
             
             
            ■莱茵迎賓館(RHINE Guest House)   
             
            ネットで調べて目星をつけていたRhine GHへと向かう。愛想のいいお姉ちゃんがいて、ここはいっぱいだからと別フロアの部屋(同じRhine GH)へと案内してくれた。一泊HK$120也。 
            「私、NICKYって言うの。ヨロシクね。お金?出かけるときでいいから。えっ、今払う?じゃあ2泊でHK$240だから、とりあえずHK$40だけもらっておいて...残りはゴハンでも食べてくれば?」 
            金の無いのをしっかり読まれていた。成田でHK$100だけ両替して、バス代HK$33+宿代一部HK$40を払うとNICKYのいうとおり飯代くらいしか残っていなかったのである。スルドイ....。
  
            
              
                
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                  ベッドの他にほとんどスペースなし。でも部屋はキレイ。 
                  トイレ(トイレット・ペーパーも!)、シャワー、石鹸、タオル(何年使っているのか?)、TV、電話付き。 
                  その他、共同冷蔵庫と共同熱水あり。カギは宿の入り口と部屋の2コ。 
                   
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                  トイレ、シャワー付き(?)。トイレだけでも異常に狭い。座ると顔の前に洗面台が。シャワーのときは便座にフタしてその上に座って浴びた(爆)。 
                  ここまでして「シャワー付き」にする必要があるのか? | 
                 
              
             
             
            泊まった部屋の隣がNICKYの部屋(従業員詰所?)だった。部屋に戻ってホテル・カードを持ってきて「はい。今日はいないけど、これが私のボスのマダム・チャン。携帯の番号もここに書いておくから何かあったら電話して。」といきなり携帯の番号まで押し付けられ、サービスはすこぶるよい。
  
             
            ■マダム・チャン登場 
             
            翌朝、ドアを叩く音がする。「だれだぁ、こんな時間に(とは言ってもすでに9時をまわっていた...(笑)」。 
            ドアを開けるとそこには小柄なニコニコおばちゃんが立っていた。 
            ”グッド・モーニング! アイム・マダム・チャン! サンキュー、サンキュー! ユー・フロム・ジャパァァァァン? サンキュー、サンキュー! バァ〜イ!” 
            マダム・チャンは両手で無理やり握手をし、サンキューを連発すると来たときと同じようにニコニコ顔で去っていった。 
             
            かくして香港の日々は始まったのである。
  
             
             
            
              
              
              
                
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                  | たしかにイスラムの雑貨店や屋台同然のレストランが多い。だが、「何が行われているかわからない怪しげな雰囲気」は無い。 | 
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                  A座のエレベーター。 
                  べつに「香港マフィア映画のよう」でもない。 | 
                 
              
             
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