曽爾高原のススキ

(そにこうげん)

静かな曽爾川の流域に開ける曽爾村。奈良県の東北端し、三重県境に接する村です。
村の大半を占める山地は室生火山群に属し、西側の岩肌もあらわな鎧岳、兜岳、屏風岩などの珍しい柱状節理の美景は国の天然記念物に指定されています。曽爾高原は、日本300名山の一つ倶留尊山(くろそやま)から亀の背に似た亀山を結ぶ西麓に広がるのが曽爾高原です。
曽爾高原はススキで一面に覆われた草原で、3月中頃に毎年山焼きが行われ、春から夏にかけては一面に青い絨毯が敷かれたような爽快な姿を見せます。
秋にはススキの穂が陽射しを浴びて銀色・金色に輝き、毎年沢山の観光客や写真マニアが訪れます。又毎年9月中旬~10月中旬にかけて高原中腹にある「お亀池」の周辺の遊歩道(約900m)に約300基の灯籠がともされ「山灯り」として実施されている。
曽爾

撮影 2008.10.03
高原から亀山峠(810m)への登り道
亀山峠から倶留尊山(くろそやま)(1038m)を眺める
亀山峠から亀山(849m)を眺める
高原のすすき
亀山峠から「お亀池」(710m)を眺める(右下の建物は「国立曽爾青少年自然の家」)
お亀池は亀山の中腹に位置しており、一説では火山の火口ではないかといわれています。周囲は噴火による火山灰の堆積がはっきりしないことから地学的には特殊な侵食であると考えられています。お亀池に漂う水は、雨水と亀山からの僅かな伏流水によって貯えられているようです。
お亀池は高原のほぼ中央に位置し、数多くの伝説が残っています。
昔、太良路に住む若者がお亀と言うみずみずしい美人の嫁をもらいましたが、産後、実家へ帰ってしまいいました。子供が夜泣きをするので、お亀に乳をもらいにでかけたところ、お亀池までお亀がやってきて一度だけ乳を与えてくれました。また夜泣きをするので、乳をもらいに行くと、怒ったお亀が大蛇となり、このお亀池に現れたといいます。
亀山峠の表示版
亀山への遊歩道
お亀池周囲に設置されている燈籠
屏風岩の遠景
国道369号線と曽爾川に沿ってを走ると名前の通り屏風岩が現れます。屏風岩(868m)は、兜岳の西側にあり、南面にあたかも屏風を立てたように屹立しています。その幅2km、鋸の刃のように鋭くそびえ、垂直に柱状節理の岸壁が約200mの断崖をなしています。
兜岳(左側)と鎧岳(右側)
兜岳(高さ920m)別名女岳は、鎧岳の西側にあり、鍬形の兜のような山容から名付けられています。
鎧岳(高さ894m)別名雄岳は、あたかも天を摩す鎧を着たような雄々しい岩山であることから名付けられています。
旅の思い出へ