コロンビア大氷原
アサバスカ氷河
標高2,030mのサンワプタ峠を越えるとジャスパー国立公園に入り、更に北上すると左手にアサバスカ氷河が見えてくる。その奥に北極を除けば北半球最大を誇る広さ325km2(小豆島の約2倍)のコロンビア大氷原がある。この大氷原は1898年スタットフィールド探検隊のノーマン・コーリーとハーマン・ウィリーによって発見された。
アサバスカ氷河の真下に、コロンビア・アイスフィールド・シャーレーという観光ホテルがあり、アイスフィールド・センターが併設されて、5月から10月中旬まで実施されるスノーコーチ・ツアーのターミナルとなっている。
コロンビア・アイスフィールド・シャーレーの遠景
コロンビア・アイスフィールド・シャーレーの玄関でカナダ警察に扮したエルクがお出迎え
氷河まで観光客を運ぶ雪上車(スノーコーチ
一昔前のスノーコーチ(後輪はキャタピラになっている)
アサバスカ氷河の全貌(コロンビア・アイスフィールド・シャーレのバルコニーから眺めて左側)
ドーム氷河全貌コロンビア・アイスフィールド・シャーレのバルコニーから眺めて右側)
シャトルバスで氷河の入口まで乗る。うねった車道までかつては氷が到達していたが温暖化の影響か年平均1.6mの速度で後退している。中央部のへこんだところが氷河が削った地形で、左右の堆積物をモレインという。
アサバスカ氷河は、長さ6km、幅1km、氷の一番厚いところで300mほど。コロンビア大氷原のわずか2%の面積でしかない。160年ほど前までは現在のパークウェイのあたりまで氷河が到達していたといわれており、近年の地球温暖化の影響を受け、現在も毎年1〜3mの速度で後退し、容積も減少しているという。(手前の湖はサンワプタ湖)
氷河に二本線が見えるのがスノーコーチの道路で氷河の先端まで行く。
スノーコーチから見たクレパス
氷河の上はクレパスtが至るところに口を開けている。
マウント・アンドロメダは、その頂上付近の氷塊が成長して氷河となり、長い年月をかけて、すり鉢状に浸食された跡が残っている。
二つのピークは別の山ではなく、この山塊全体がマウント・アンドロメダである。
氷河が流れ落ちる最先端の氷瀑
マウント・アンドロメダの空洞の氷河
 マウント・アンドロメダの小さな氷河の先端部は、青味をおび、溶解しながら崩落している。固体であるはずの氷が流れ落ちる不思議な現象が氷の川・氷河である。
コロンビア大氷原の中で一番氷の厚いところは365mあり、年間7〜10mの積雪により新しい氷が補充される。過去4回の氷河期を経て生成されてきた氷の重みで氷原を取り囲む山の間から6つの氷河が流れ出ている。
雪:30mの積雪で厚さ3mの氷ができるといわれる氷河期:一般に200万年前から1万年前。
寄せ来る波のような氷河の崩壊部分(氷瀑) 
寄せ来る波のような氷河の崩壊部分(氷瀑)
コロンビア大氷原から流れ落ちるアサバスカ氷河の大きな波の様なうねり(遠くのスノーコーチと比べると氷河の大きさが分かる))
スノードーム山の氷河
マウント・アンドロメダ
マウント・アンドロメダ
マウント・アンドロメダのアイスホール(氷瀑)
氷河の波ようなうねり(氷河の上にいても流れている実感はj全くない)
今にも崩れ落ちそうなアイスホール
氷河の上は溶けた水が川下へと少しつづ流れている(何時しか大河になる源流です)
スノーコーチと呼ばれる雪原車。これで中腹のロッジからコロンビア大氷原のアサバスカ氷河へ向かうルートは、カナディアンロッキー観光のクライマックスのひとつ。
スノーコー千と周囲の人々と比較すると、雪原車がいかに大きな車が分かる。
スノーコーチは氷河の半ば辺りでまで進む。車を降りるとすぐ前は壮大な氷河が迫っている。
アサバスカ氷河の上を走るスノーコーチ。
アサバスカ氷河観光は立ち入り可能な範囲(ブルーのコーンが立てられている)が限られているが、、氷河の写真を撮影する人が沢山集まっている。しかし、目の前に壮大な氷河をみると少しでも前に行って撮影したくなり何時しか危険区域を越えている人々が多い。
アサバスカ氷河では観光客が氷河を手にしたり、氷河水をペットボトルに詰めたりしている。正面の地層の下はラテラル・モレーンです。
 夏場になると、氷河の表面や縁辺部の氷が溶けて、氷河水 が流れ出る。この水には氷河が削り取った岩粉(がんぷん)ロック・フラワー rock flour が混じっているために混濁している。これが氷河湖に流れ込むと、水中に浮遊する岩粉の微粒子が森の緑色や空の青色を反射して美しい青緑色が生まれる。 
氷河から溶けた一滴の水が一束となって小さな河となり大河へと繋がっている。
コロンビア・アイスフィールド・シャーレのバルコニーからドーム氷河を眺める。
NEXT
7日目 2006.9.26
                             《氷原と氷河》

 カナダは過去4回にわたる大きな氷河時代を経てきました。そしてアサバスカ氷河とコロンビア大氷原は、かつて大地を削り、今日見られるロッキー山脈を彫り上げた巨大な氷床の一部でした。
 この数百キロにも及ぶ距離を流れるのに、数世紀もの時間を要しました。最後の氷河時代が終わったはわずか1万年前ですが、それ以降、北アメリカのほとんどの氷河は、冬に蓄積される雪より夏に溶ける量の方が多いため年々後退を続けています。
高い峰や高原に降った雪が、夏の間わずかづつ溶けながらも年々蓄積されていくと氷原が形成されます。
 この雪が30メートルほどの厚さになると下層部の雪は圧縮されて氷になり、上部の積雪が増えて氷がさらに厚くなるとついには谷からあふれて氷が流れ始めます。これが氷河の誕生です。 静かに流れるアサバスカ氷河のスピードはあまりにも遅いため、その動きを目で確かめることがはできません。
氷河を形成する氷の流れは川に似ており、部分により流れる速度が異なります。 また、強い圧力がかかった氷河の底の氷はプラスチック状になっており、起伏のある岩の上でも割れずに流れることができます。
 氷河が流れ降りる際、その側面は周囲の崖下をえぐり取ってゆき、激しい温度の変動でもろくなった山肌の岩が、氷河の上に落ちていきます。その間、底の氷はその下にある岩を削っていきます。これらの大量の岩や土砂が氷河によって運ばれ、氷河の側面や末端部に体積したものがモレーンといいます。 スノーコーチが最初に通る砕けた岩で出来た長いナイフ状の峰はラテラルモレーン(側堆積=氷河の側面に堆積した岩)と呼ばるもので、氷河の末端に残されたものはターミナルもレーン(末端堆石)とよばれます。谷の中で費用がが流れを停止した場所では、大きなターミナルもレーンが確認できます。
                        (雪上車のパンフレットより)