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その後のDIPSFIP(c=3.12)


DIPS と FIP の混同解消に向けた修正(2011. 3.13) 2011年に公開した「DIPS と FIP に対する当館のスタンス」に基づき、
本稿においても DIPS と FIP の混同を解消するため、原則として
DIPS という表記は FIP という表記に改めています。
なおここでの FIP は全て FIP(c=3.12) を指すものです。

この修正に関する詳細は上のリンク先の文書をご参照ください。
またこの修正の根拠について、「3.12はどこから来たのか(上)
3.12はどこから来たのか(下)」も併せてご一読ください。
訂正とお詫び(2010.10. 2) 2010年9月14日付で公開した博物館報のうち、「R02a リリーフ投手のDIPS」の
データの一部に漏れがありました。
つきましては、「R02a リリーフ投手のDIPS」を訂正して再公開いたします。
ご迷惑をおかけしましたことを、この場をお借りしてお詫び申し上げます。

また「R02 日本のDIPS更新史」についても、タグの訂正をしております。

さて、以後の本ページは、シーズン終了を踏まえてDIPSFIPの記録について記述が必要と思われる点があった場合に、随時更新していくスペースとする。

したがって「R02 日本のDIPS更新史」と「R02a リリーフ投手のDIPS」については今後訂正等のない限り更新しないので了解されたい。


2010年のシーズンが終了したが、今年は大きな記録が生まれた。ダルビッシュ有が2001野口茂樹の日本記録を更新する2.046をマークしたことである。

9年ぶりの日本記録更新でもあり、また1958稲尾和久のパリーグ記録も52年ぶりに更新されることとなる。

ダルビッシュは開幕から5試合連続2ケタ奪三振、その後31.2イニング連続無失点と好投を続け、6月から7月にかけて5連勝を記録。8月は失点が多く負けも込んだが、その中でも27イニング連続無四死球を続けていた。9月に入ると再び39.2イニング連続無失点をマークした。

その結果、ダルビッシュは投球回数202、被本塁打5、与四球47(故意四球なし)、与死球6、奪三振222でDIPSFIPは2.046。2.100を切る前人未到の記録とした。

  
2010 2.046 ダルビッシュ 有 202.0 47 0 7 5 222

さて、ダルビッシュの記録を大きな記録と呼ぶならば、もう一つ、こちらはとてつもない記録とでも呼ぶべき記録が生まれた。記録の主は、ファルケンボーグである。

それまで藤川球児が4年連続で続けていた両リーグ合わせての最優秀DIPSFIPの座を2009年に奪ったファルケンボーグだったが、その時は1.552という数字であった。

今年は前年より投球回数が10.1増えたにもかかわらず、被本塁打・与四球・与死球すべて1つずつ減らした上に、奪三振は62から83と21個も上積みした。そしてはじき出されたDIPSFIPは、驚くなかれ0.830という値である。

リリーフ投手の記録は一定の対象基準があるわけではなく、更新という言葉は使えないところであるが、それまでの好記録である豊田清の1.201などを上回るその度合い、初の0点台の記録として1.000を上回るその度合い、いずれを見ても弩級と言うべきものである。

さらに今回、基準を投球回数10以上に広げて再調査したところ、DIPSFIPが1.000を切る選手は唯一1999年のシュールストロムがいただけで、それも投球回数16.0でDIPSFIPは0.870とファルケンボーグより劣っていた。まさにとてつもない記録と表現するほかない。

  
2010 0.830 ファルケンボーグ 62.0 8 0 0 0 83

written by Seiichi Suzuki, at 2010.10. 2. / updated at 2011. 3.13.