白楽天山

前掛のタペストリーは滋賀県大津祭の2つの山のものと元は1枚の作品だったもので、鯉山等と同じトロイ戦争の1場面を表した16世紀ベルギー製です。他にもフランスで18世紀に製作されたゴブラン織の見送「水辺の会話」や、山鹿清華作の見送「北京万寿山図」手織綿など、各国自慢の織物の競演が楽しめます。

唐の詩人、白楽天が視察官として西湖の北の山に赴き、老松上に住む道林(どうりん)禅師を訪れて問うた。「仏法の大意如何に?」道林禅師は「諸悪莫作 衆善奉行(善いことをせよ。悪いことはするな)」と、はぐらかすような答。白楽天は半ばあきれて「そんなことは3つ子も知っています」。「左様。しかし80の老翁でも行いがたいことなのだよ」。白楽天は道林の徳に感服して帰ったという。この問答が山のテーマで、山上には道林禅師と白楽天が立っているが、脇役の白楽天が山の名になっているのが面白い。

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