世阿弥作の謡曲『木賊』から着想された山。 生き別れた父を探す松若は、故郷信濃国園原で木賊(砥草。物を磨くのに用いられる植物)を刈る老人の家に泊まる。老人は、別れた子に巡り会うがために旅舎を作り旅人を泊めていると語り、松若に酒を勧めながら我が子の好きであった小謡曲舞を、子を偲びつつ舞う。実は老人は松若の父であった。御神体は、子を思い1人寂しく木賊を刈る老人の悲しみを深く表現した名作で、桃山時代に作られたといわれている。