放下鉾

明治中期に胴組や天井、屋根などが大改装され、金具類も順次整備された鉾です。そのため、明治の四条円山派の画家、幸野楳嶺下絵の破風正面の3羽の丹頂鶴など明治以降の工芸装飾が楽しめる鉾ともいえます。また、昭和4年から稚児に替えて、鉾上で稚児舞ができる唯一の操り稚児人形「三光丸」を乗せ、人形ならではの愛らしい舞いも評判の鉾です。

『放下』とは禅語では『ほうげ』と読み妄念や物への執着を捨て、俗世を解脱する意である。
この鉾の創建当時、街頭で手品や曲手鞠などの修練を要する芸を見せて人を集め、仏法を解く『放下僧』という人々がいて町の人気者だった。この放下僧を鉾の趣向にし、天王座に放下僧を祀ったことからこの名で呼ばれる。
鉾頭は、日、月、星の3つの光が下界を照らす形を示し、その形が洲浜に似ていることから、『すはま鉾』の名で親しまれてきた鉾である。

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