岩戸山

山と名付けられていますが、鉾と同様に車を付けた曳山です。室町末期に曳山に改造されたもので、その名残りとして、鉾頭の替わりに松を立てています。また、屋根に御神体を乗せる珍しい山としても知られています。屋根裏には今尾景年の晩年の力作絵画が、前後軒裏は景年の意思を受け継ぎ弟子の中島華鳳が描き上げた、師弟の絵の競演が楽しめる山でもあります。

古事記、日本書記に記される「国産み」と「天の岩戸」の2つの神話を併せて趣向にした曳山である。
御神体は3体で、白衣装で胸に鏡をかけた天照大神(あまてらすおおみかみ)、その脇に安置された手力男命(たじからおのみこと)(戸隠大明神)は白衣に唐冠(とうかん)をかぶり、屋根の上には太刀を付け天瓊矛(あまのぬぼこか)を突き出した伊弉諾尊(いざなぎのみこと)を安置している。
鳥居には常世(とこよ)の国の長鳴鳥(ながなきどり)(鶏)がとまっている。前後軒裏に描かれた鶺鴒(せきれい)は、国生みの方法を教えた鳥と、神話一色の山である。


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