孟宗山
山の趣向から「筍山(たけのこやま)」とも呼ばれる山です。極彩色豊かな山鉾の中で、唯一肉筆墨画の見送で異彩を放っている山として有名です。この見送は昭和15年に八坂神社の氏子だった竹内栖鳳が喜寿の祝いで筆をとった作品です。千鳥、鳳凰、山雀(やまがら)、翡翠(かわせみ)、孔雀など15種類の鳥を表した欄縁金具は、栖鳳の師幸野楳嶺の下絵で、明治、戦前を代表する画家の競演を見ることができます。

中国の史話、二十四孝の一人孟宗が雪中に筍を掘った話を趣向とした山である。
孟宗は中国三国時代(二二〇−二八〇)の江南の人。母の好物が筍だったので、老いて病の時に、孟宗あ母に筍を供したいと考えた。しかし厳冬だったので筍があるはずなく、竹林をさまよい竹を抱き嘆息していると、雪をついて四、五本の筍が頭をもたげた。歓喜して持ち帰り、母に食べさせたところ、病も治ったという話である。
御神体は左手に鍬を担ぎ、右手に筍一本を持って喜んで帰って行く姿を表している。

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