長刀鉾

謡曲「小鍛冶」で有名な三条小鍛冶宗近作の刀を飾っていましたが、現在は模製に替えています。巡行の際、常に先頭を進む鉾で、稚児が鉾に乗り稚児舞を舞うのは、現在、この鉾だけになっています。鉾頭に大長刀を付けるのでこの名前で呼ばれています。破風彫刻、欄縁金具、屋根裏絵画、前掛や胴掛、見送など名品が多いことでも有名な鉾です。

山鉾の中で、最も早く創建された鉾で、その時期は記録から応仁の乱以前の嘉吉元年(1441)といわれている。山鉾町のうちで八坂神社に最も近いところにあったことなどから、古来くじ取らずで毎年巡行の先頭を進む鉾である。また、疾病邪悪を祓う長刀にまつわる奇瑞伝説が数多くあることでも知られている。そのいずれもが、疾病が流行した折、この長刀を病人に拝戴させたところ平癒したとなっている。宗近作の長刀は宝物として保管され、現在は模造品を使用。