鈴鹿山

巡行中は能面をつけているので顔はみえませんが、御神体のミニチュアにより美しい顔立ちを推測することができます。御神体の姫の雰囲気にあわせてか、飾金具を中心に優美な趣の品が多いこともこの山の特徴です。特に昭和12年作の山鹿清華の欄縁金具は「山端和親」と題された秀作です。他に、中国で作られた優れた胴掛や古見送なども蔵する山です。

伊勢国鈴鹿山で道行く人々を苦しめた悪鬼を退治した鈴鹿権現『瀬織津姫命(せおりつひめのみこと)』(せおりつひめのみこと)の話を趣向した山。
瀬織津姫尊の御進退は、金の烏帽子に白繻子(しゅす)雲龍文小袖、緋精好大口(せいこうおおぐち)袴、紫地金立涌か巴(たてわくかともえ)文金襴の表着を着け、腰に錺太刀、手に大長刀と中啓を持っている。
後の山籠には、赤熊(しゃぐま)で象徴した赤鬼の首が置かれる。山に立つ松には、鳥居や宝珠などが描かれた小絵馬を多く付ける珍しい山で、巡行後に盗難除けの護符として授与されている。

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