近撮_2010.1
このページには最近作を月ごとに撮影順に区分なしで掲示し、
掲載後に順次、「風景」「行事・祭」「花ごよみ」「桜」「鹿」などに区分して掲示します。
(取り急ぎにつき、ラージサイズにならないもの、コメントの無いものもありますが順次追加します)
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篠原踊り

大塔地区の一番山奥の篠原集落に伝わる伝統行事で、天満神社の初天神祭に奉納されます。300年以上(一説には500年以上)も続けられているとのこと。伝わる唄は40曲ぐらいあるそうですが、最近は「梅の古木」「宝」「世の中」の3曲を舞います。男は太鼓を打ち、女は扇を持ち舞います。この舞は狼よけに奉納されたのではとの説もあります。篠原には以前は80戸ぐらいあったのが今ではわずか15戸ぐらいだとか。昔は境内いっぱいに若い娘さんらも踊っていたそうです。
県指定無形民俗文化財


[篠原踊り1]


昨年は中心になっておられた方が逝去され、中止になりました。継続が危ぶまれていましたが若い方がお一人入られ行われました。男3人、女3人。
(2010.1.25)(五條市大塔町)


[篠原踊り2]


唄は独特の節回しで、女性の踊りはゆったりと、男性は太鼓で調子を取るように舞います。
(2010.1.25)(五條市大塔町)

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惣谷狂言

惣谷地区で正月の神事始めに天神社での神事が行われますが、その奉納として、村人による狂言が古くから行われています。大正4年に演じられて以来途絶えていたものを、昭和33年に復活されたもので「鬼狂言」「狐つり」「舟漕ぎ」「万才」「壺負い」「鳥刺し」「鐘引き」「かなぼうし」の8曲が伝えらています。
県指定無形民俗文化財


[惣谷狂言1]


年々演じる人手が少なくなり今年は「かなぼうし」1曲のみでした。
(2010.1.25)(五條市大塔町)


[惣谷狂言2]


舞台には花餅が飾られていて、終われば村人、見物人で競っていただきます。
(2010.1.25)(五條市大塔町)

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山焼き_若草山

奈良の春を告げる行事として親しまれている山焼き。全山が燃え上がり、花火も打ち上げられます。麓の野上(のがみ)神社で春日大社の神官、興福寺、東大寺の僧侶、金峯山寺の行者による神事が行われ、奈良法師による点火が行われます。遠くからもよく見えますが、近くで見るのもまた迫力があります。起源に諸説ありますが、三社寺の説によれば、山頂にある鶯塚(うぐいすづか)古墳の霊魂を鎮める祭礼とのこと。


[山焼き_若草山]


野上神社の祭礼の後、松明により山麓の大トンドへ点火されます。花火が打ち上げられ(今年は1300年祭ということで普段の倍の600発)た後にトンドの火から消防団が手松明に移し一斉に枯れ草に点火。下から上へ一気に燃え上がっていきます。
(2010.1.23)(奈良市)


鬼走り_陀々堂_念仏寺

僧侶達の早口の読経、法螺貝、カタン、カタンと乾いた棒打の響く中、燃えさかる大きな松明を父鬼、母鬼、子鬼がかざし、堂内を走り回ります(実際には重くて走れはしません)。堂内はさながら煙と火の海。国家安泰、五穀豊穣、厄除けなどを祈願する年頭の修正会(しゅしょうえ)の結願行事として行われますが、鬼が厄を払うのもめずらしいものです。室町時代から伝わる伝統行事。
国指定重要無形民俗文化材


[鬼走り_陀々堂_念仏寺]

父鬼、母鬼、子鬼が堂内の須弥壇を3回廻り、正面中央戸口、左戸口、右戸口で天空に向かってそれぞれ斧、槌、稔木を振り上げます。松明は16貫(60kg)という大きなもの。松の根っこを乾かしたものでよく燃え上がりその火勢は天井を燃やさんばかり。鬼の体につけた紙縒は厄除けとされ役目を終わったあと参拝者で奪い合いになります。
(2010.1.14)(五條市)


[子供の鬼走り_陀々堂_念仏寺]

昼間に「昼の鬼走り」が行われます。この時は松明に点火はしませんが作法は夜の本番と同じ。そのあと、「子供の鬼走り」がおこなわれます。後継者育ての意味合いもあるようで、面、松明は小ぶりですが役割や作法はほぼ同じ。子供の鬼さんはどことなく子供の姿態が感じられほほえましいものです。
(2010.1.14)(五條市)


[大般若経転読_陀々堂_念仏寺]

結願にあたり大般若経の転読が行われます。一巻ずつ広げてはパラパラと早読みされます。本来は600巻ですが今は3人の僧侶により300巻にされています。(2010.1.14)(五條市)


[柴灯大護摩_陀々堂_念仏寺]

堂内の護摩壇の火を受け、境内で柴灯大護摩が焚かれます。暗闇に真っ赤に燃え上がりその炎は結界の忌竹(いみたけ)、注連縄も燃やす勢い。
(2010.1.14)(五條市)


[供物_陀々堂_念仏寺]

紅白の小餅と煎餅状の餅が供えられます。この餅はこのあと御供撒きで撒かれます。番号のついている餅を拾うと景品を頂けます。
(2010.1.14)(五條市)

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勧請綱掛神事_明日香

綱掛けとも言われ、村に悪霊が入り込まないように村の出入り口の道や谷に綱をかける行事は県内に多くみられます。その綱の作りや綱に吊るものも、御幣をはじめ、松枝や榊などいろいろ。形もフングリと呼ばれるものや、房状、すだれ状、タコアシ状のものなど多様。
明日香の稲渕集落では男性シンボルを付けた雄綱、栢森集落では女性シンボルを付けた雌綱が掛けられます。


[雌綱巡行1_栢森]

朝から作られた雌綱を村の入口の福石のある綱掛け場へ運びます。ここではめずらしく僧侶による祈祷が行われます。
(2010.1.11)(明日香村)


[雌綱巡行2_栢森]

(2010.1.11)(明日香村)


[雌綱_栢森]

(2010.1.11)(明日香村)


[雌綱雪の日_栢森]

最近は雪の降ることが少なくなりましたが、雪が降るとこんな情景になります。
(2003.1.29)(明日香村)


[雄綱の掛け替え_稲渕]

稲渕の綱掛けは最近は観光化され、たくさん見物に来られます。100メートル以上の綱の真ん中あたりに男性シンボルを付けるとかなりの重量になり、観光客も手伝うのが慣例になってきました。
(2010.1.11)(明日香村)


[雄綱_稲渕]

なかなか見事な出来ばえです。絞ってある鉢巻状の縄は閏年は13本になります。
(2010.1.11)(明日香村)


[神饌_雄綱の掛け替え_稲渕]

いつの頃からか、竹串にミカンをつけた祈願札が神饌として神事の行われる神所橋の欄干にたくさん供えられ、参拝客にお下がりとして配られます。
(2010.1.11)(明日香村)

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弓祝式_東川

その昔、この地に悪魔が徘徊しだした時、弓の名人・東弥惣(ひがしやそう)は「白山大権現」の神力にすがり、その悪魔を弓矢で退治した。喜ぶ村人に、弥惣は「悪魔は山の主である。今後村に祟りをもたらすかもしれない。毎年正月9日を祭り日とし、悪魔降伏を行え」と告げました。以降1月9日に弥惣の追善とともに、弓打ちの神事を行うようになった。1000年以上も続く伝統行事。


[弓打ち_運川寺・烏川神社_東川]

3人の射手が東川(うのがわ)の運川(うんせん)寺から谷川を挟んで40mの烏川(からすがわ)神社境内に立てられた的に向かって射ます。
(今年の射手は川上村の取材でいつもお世話になっているM氏のご子息兄弟でした。この役は一生に一回しか当たらないので、兄弟がそろって当たるということは記憶にないとのことでした。)
(2010.1.9)(川上村)


[千破美の踊り_烏川神社_東川]

弓打ちの後、烏川神社に設えてあった的場に行き、白装束の村神主が古式にのっとり、桑弓、蓬矢で東西南北天地を射、最後に鬼と書いた的(弓打ちの的の裏)を射ます。そして鬼的と対峙し鬼に引導をわたすような台詞を述べ、やがて的を持ち上げ「千破美(ちわみ)の踊り」を舞います。最後に小刀でとどめの一撃を加えます。
(伝承では千破美の踊りは鬼を倒した喜びを表すともありますが、今は鬼を倒す所作として踊られています)
(2010.1.9)(川上村)

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河合の弓引き行事_景徳寺

年初の薬師堂会式(八日薬師)の際に行われる弓引き行事。弓矢祭、弓打ちとも呼ばれる。
平家一族の往時を偲び武備を怠らなかったなどという謂われがあり、弓矢の鍛錬は徳川政府を慮って薬師の祭日である八日の儀式に名を変えて正月中の最重要行事として、伝承され今日に至っていると景徳寺寺伝に伝わる。弓の作法も極めて古い型を保つもので、的の作り方ひとつにもしても古俗を伝え、民俗的にも貴重なものである。
県指定無形民俗文化材。


[弓引き1_景徳寺_河合]

弓の引き手は4人からなり、禰宜(ネギ)と呼ばれる1年目の少年を真ん中に、上殿(カミドノ)、下殿(シモドノ)と呼ばれる2.3年目の少年の三人が弓引きを行います。古式にのっとり40メートルほど先の的に放ちます。
(2010.1.8)(上北山村)


[弓引き2_景徳寺_河合]

最古参の4年目の射手は紋付袴に烏帽子姿の射返し(ユリカエシ)と呼ばれ弓打ちの先導を勤め、これを勤めあげて一人前とされた。少年から青年への通過儀礼としての意味もあったと思われる。最後にすでにその役を終えている青年の先輩(スケダチ)とともに矢を射ます。
(2010.1.8)(上北山村)


[的場の祈祷_景徳寺_河合]

弓打ちの前に景徳寺の住職により祈祷が行われる。読経のあと、小さな梅の矢で正面左右と三方に6本の弓を射る。前日に的組み(的踏みともいわれる)が行われます。薄く剥いだ杉材を網代に組んで直径約1.5メートルの的を作る。これに柳を焼いて砕いた炭で三重の円を描き、縁をタク(楮)の皮でかがる。弓が的に命中すると、黒い煙状の粉が舞い上がります。
(2010.1.8)(上北山村)


[水垢離_小橡川_河合]

未明(朝5時)に射手4人(ネギ、カミドノ、シモドノ、ユリカエシ)とネンニョと呼ばれる頭屋(今年は代理の娘婿さん)が八坂神社下の北山川に流れ込む小橡川に入って水垢離(ミズゴリ)を行います。厳寒の中素っ裸で入り合掌して禊ぎをします。
(冷たいと言うより痛い感覚だそうで、手を合わすやすぐさま飛び出て焚き火に当たってました。実際にはまだ真っ暗で、肉眼ではほとんど見えないぐらいです。)
(2010.1.8)(上北山村)


[矢立ちの宴_河合]

水垢離を終えて頭屋に帰ると熱いぜんざいをいただき、そののち場所を変えて、頭屋が関係者(村のほとんどの家)を招き、「ヤダチ(矢立ち)の宴」が行われます。この宴では射手の子供4人が正客で大人が接待をされます。宴で歌われる唄は村に伝わる「ヨイサー節」と決まっていて(歌詞はアドリブもあり)、順番に指名された人が歌い継いでいきます。その度にチョコ7〜10杯ぐらいのお酒を飲まされます。(もちろん成年のみ)
(2010.1.8)(上北山村)


[矢立ちの儀_頭屋_河合]

頭屋の座敷で短刀を抜いて「矢立ちの儀」を行い、弓矢を手に景徳寺裏の射場へ赴き、弓引きが行われます。
(2010.1.8)(上北山村)

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弓打ち_押熊八幡神社

押熊神社では新年にケイチン(卦亭)と呼ばれる宮座行事が行われます。古くからのしきたりに則り宮座八人衆により厳粛に行われますが、祝い膳の後、オンダ、弓打ちが行われます。


[弓打ち_押熊八幡神社]

(2010.1.11)(奈良市)

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オコナイ_北今西

「オコナイ」はおおよそ新年1月から3月ごろに行われる宗教民俗行事で、近畿、北陸、東海地方に多く行われているようです。その意味するところ、行事の内容など様々で、一概に説明のつかないほど多様なものです。おおかたは、村落の平穏、五穀豊穣祈願を願うもので、あわせて青年の大人入りや元服を祝うことが多いようです。修正会、修二会などの中で行われることも多く見られます。
北今西のオコナイは作法をはじめ、荘厳や供物などに特徴があり、宗教儀式としても興味つきないものがあります。
天正時代より伝承されています。県指定無形民俗文化材。


[カズラ切り_オコナイ_北今西]

阿弥陀堂で行われる多様なオコナイ行事の中でも、般若心経の途中から始まる青年達による「カズラ切り」は他には例を見ないものです。堂内の貫(ヌキ)に吊り下げた輪状のカズラに丸太を通しワッショワッショのかけ声も勇ましくぐるぐる回ってねじ切りにかかります。以前はふたつのカズラ切りを青年、中老組に分かれて競ったそうですが、今では青年たちによるひとつだけになっています。
(2010.1.2)(野迫川村)

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おんだ祭り_植槻八幡神社



[田主と牛_おんだ祭_植槻八幡神社]

(2010.1.7)(大和郡山市)


[田男_おんだ祭_植槻八幡神社]

(2010.1.7)(大和郡山市)

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おんだ祭_諸鍬神社



[神事_おんだ祭_諸鍬神社]

牛さんも神妙に神事に臨席
(2010.1.9)(葛城市)


[神饌_おんだ祭_諸鍬神社]

寺院の御供に色つきの餅は見ますが、神社で4色の神饌は珍しいと思います。
(2010.1.9)(葛城市)

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おんだ祭_八所御霊神社



[御田植え_おんだ祭_八所御霊神社]

田主、神官、村役さんで御田植。松苗にはアズキとモミが付けられています。松苗をいただいて帰り春の苗代作りの時の水口祭に洗い米と花を添えて豊作を祈られます。
(2010.1.11)(奈良市)

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繞道祭_大神神社

年始第一番に斎行される神事で「ご神火まつり」とも言われています。古式作法により新しい火が切り出され、厳かな神事のあと拝殿から持ち出されます。その後待機している神饌松明に火が移され、手持ちの松明にも点火され巡行が始まります。氏子の若者達が松明を担ぎ、数名の神官とともに山麓に鎮座する摂社と末社を巡拝されます。


[ご神火巡拝1_山辺の道]
山麓に鎮座する18の摂末社は山辺の道あたりにあり、桧原神社のあたりの池に映る松明の流れは厳粛且つ美しいものです。遠くに畝傍山や町の灯が見えます。
(2010.1.1)(桜井市)


[ご神火巡拝2_大神神社参道]
摂末社18社を3時間ぐらいかけて巡拝して本社に帰ってきたところ。参道の夜店や人垣の中を勢いよく駆け抜け石段を登り戻ってきます。
(2010.1.1)(桜井市)


[ご神火巡拝3_大神神社神杉]
巡拝を終えた松明は最後に境内の神杉の周りを3回廻り、祈祷殿の前で消されます。
(2010.1.1)(桜井市)
昨年までのショットはこちらにあります。2007年 2008年
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ご神火_西河十二社神社

新年の最初にご神火をきり出し、その火を手松明や提灯などに移して家に持ち帰り、お正月の煮炊きに使うという風習はあちこちに見られます。ここ西河十二社神社(大名持神社)では村神主が年が明けると同時にご神火松明に着火され村人の前に持ち出されます。まずは大滝地区、西河地区の寺社へご神火が運ばれ、そのあと村人の持つ手松明に次々に点火されます。大晦日からの境内の大トンドも名物。


[ご神火1_西河十二社神社]
(2010.1.1)(川上村)


[ご神火1_西河十二社神社]
(2010.1.1)(川上村)


[ご神火2_西河十二社神社]
(2010.1.1)(川上村)

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勧請縄_椣原



[勧請縄_椣原]
新春に勧請縄を掛けて悪霊退散などを願う風習は全国的にありますが、大和にも多くの地で行われています。「綱掛け」「お綱」などとも呼ばれ、集落の入口、出口の道や谷筋に掛けられることが多いようです。ここ椣原(しではら)では新年早々に金勝寺境内で綱を練り、奉納の後に龍田川に張り渡されます。ちょうど鉄橋のそばで、鉄道の安全も願っているようです。
(2010.1.5)(平群町)
勧請縄を練っている様子は2007年のこちらを御覧ください。
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海老の注連縄

お正月に注連縄を飾るのは、現代社会になっても今も全国にあるのは日本人の神への崇敬の念か、今や単にファッションとしての飾りなのか、はともかくとして、正月を清々しく神聖に迎える祭具であることには違いありません。歳神迎えの印、神の依り代、結界、など諸説ありますが、神社や神木などに掛けられるものや、大相撲の横綱も同じ意味があるものです。


[海老の注連縄_春日神社]
日本全国には様々な形の注連縄が見られます。ここ大和郡山市野垣内町の春日神社では、生の伊勢エビがつけられています。他には、ダイダイ、干し柿、昆布、炭、カチ栗がつけられています。
(2009.12.31)(大和郡山市)


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